自己成長のガイドブック『嫌われる勇気』

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書斎

この記事では、岸見一郎/古賀史健(著)『嫌われる勇気』を紹介します。

嫌われる勇気とは何か、なぜ必要なのか。

この本に書かれているのは、自分が幸せになる方法です。

この本を最初に読んだのは、もう10年近く前。

今更感もあるのですが、久々に再読したので、改めてこの本からの気づきをまとめました。

目次

『嫌われる勇気』はどんな本?

握手

『嫌われる勇気』は、アルフレッド・アドラーの思想を解説した本。

解説といっても、まるで何かの脚本のように、若者と哲人との対話からアドラー心理学の考え方を伝えてくれます。

若者が直面している具体的な悩みや疑問に対して、哲人がアドラー心理学の理論を用いて回答するなかで、アドラー心理学の考え方と日常生活への適用方法が自然に理解できます。

まずここでは、『嫌われる勇気』のポイントを3つに絞ってピックアップします。

Point 1. 原因論から目的論へ

アドラー心理学の特徴的な考え方は、現在の目標や目的に基づいて行動を選択する「目的論」が前提であること。

一般的な心理学では、過去の経験や出来事が現在の行動を決定する「原因論」で考えることが多いのですが、アドラー心理学はこれとは逆の考え方。

つまり、過去の経験や環境がどれほど困難であったとしても、未来は現在の自分の意思によって変えることができるという考え方です​。

いかなる経験も、それ自体では成功の原因でも失敗の原因でもない。
われわれは自分の経験によるショック・・・いわゆるトラウマ・・・に苦しむのではなく、経験の中から目的にかなうものを見つけ出す。
自分の経験によって決定されるのではなく、経験に与える意味によって自らを決定するのである。

嫌われる勇気 P30より引用

Point 2. 劣等コンプレックス

アドラー心理学のもう一つの大切な概念は「劣等コンプレックス」を克服すること。

劣等感ではなく、劣等感が過剰になることによって陥る「劣等コンプレックス」です。

劣等感は誰もが感じるもので、それ自体は悪いものではないのですが、「劣等コンプレックス」の状態になると、他者との比較から自己肯定感が低下して成長の妨げになる。

だから、他者との競争から降りて自分自身の成長を目指すこと、「劣等コンプレックス」の克服が大切だと説いています。

誰とも競争することなく、ただ前を向いて歩いていけばいいのです。
もちろん、他者と自分を比較する必要もありません。
(中略)
健全な劣等感とは、他者との比較のなかで生まれるのではなく、「理想の自分」との比較から生まれるものです。

嫌われる勇気 P92より引用

Point 3. 課題の分離

アドラー心理学の3つ目のポイントは「課題の分離」。

これは、自分の課題と他者の課題を明確に分け、自分がコントロールできる範囲に集中する、という考え方です。

自分と他者の課題を混同すると、他者からの評価や期待など、自分でコントロールできないことが常に気になり、悩みのタネになります。

無駄なストレスを抱えず、自分の課題に集中するには、「これは誰の課題なのか」を最初に認識することが大切です。

われわれは「これは誰の課題なのか?」という視点から、自分の課題と他者の課題とを分離していく必要があるのです。
(中略)
誰の課題かを見分ける方法はシンプルです。
「その選択によってもたらされる結末を最終的に引き受けるのは誰か?」を考えてください。

嫌われる勇気 P140/P141から引用

『嫌われる勇気』は自分らしく生きるためのガイド

道を歩く

「自分は自分、人は人」

「人に嫌われようが自分らしさが大事」

私が最初にタイトルから受けた印象は、この程度の軽いものだったのですが、当時話題となっていた本がどんな内容なのか興味があったので読み始めました。

読んでみると最初の印象とは大違い。

平たく言えばそういうことも書いてあるけれど、そんな薄っぺらい内容ではなかったです。

この本に書かれているのは、「他人の人生ではなく自分の人生を幸せに生きなさい」という教えでした。

誰しも好き好んで嫌われようとはしないでしょうし、人に嫌われるより、好かれるほうがいいと思うのですが、嫌われたくないからという理由で人の顔色を窺ったり、人の期待に応えようとするのは違うよと。

読みながら自分自身を振り返ると、人の顔色を窺っていたんだなと思い当たることが多かったのです。

反論されるとへこむし、逆に褒められたら褒められたで素直に受け取れない。

自分はこんなにダメなのに、なぜ褒めてくれるんだろうとか、何か裏があるんじゃないのとか。

なにか自分が満足していない、モヤモヤが残ってしまう。

これは結局、他者からの良い評価を期待していたんだと気づかされました。

いい意味で気を遣っているとか、場の空気を読んでいるとかではなく、だた他人の目を気にしていただけ。

つまり、自分の人生をちゃんと歩いていないってことなんです。

他人の課題を分離して自分の課題に集中できていれば、そもそも他人の評価なんて必要ないんですよね。

これが「嫌われる勇気」の意味で、過去の経験とか出来事とか関係なく今が大切なんだと、この本が教えてくれました。

おわりに

『嫌われる勇気』は、他者の期待や評価に左右されず、他者と協力しながら自分らしく生きる方法を教えてくれます。

この本から、自分と他者との関係性や、自分の価値観を確認してみてください。

難しいノウハウではなく、自分の捉え方・考え方ひとつだと思うので、いろいろな気づきが得られると思います。

でも、頭で理解することと、日々実行することとは別ものというのも実感。

完璧にするのはなかなか難しいです。完璧にはならないかも・・・。

だから、時折読み返しています。

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