この記事では、小川糸さんの作品『ライオンのおやつ』を紹介します。
あなたなら、人生の最後をどのように過ごしたいですか?
そして、どんな「おやつ」を選びますか?
この物語は、せつなくて悲しいけれど、残された時間を精一杯に生きる、日常の中に隠された小さな幸せを描き出す、心温まる物語です。
『ライオンのおやつ』はどんな小説?
『ライオンのおやつ』は、がんと闘う女性が過ごす最後の時間を描きます。
人は最後の時に何を思い、残された時間をどう生きるか。
この物語は、誰でもいつかは訪れる、人生最後の時がテーマです。
『ライオンのおやつ』のあらすじ
主人公の海野雫は、若くして末期がんと診断され、余命宣告を受けます。
そんな彼女が人生最後の場所に選らんだのが、瀬戸内海の小さな島にあるホスピス「ライオンの家」。
ここで、週に一度行われているのが「おやつの時間」です。
入居者一人ひとりが、選んだ理由を添えてリクエストした、「最後のおやつ」が出されます。
自分の「おやつ」がいつ出されるかはわからない。
もしかすると食べられないかもしれない。
でも、それぞれの思い出が詰まった「最後のおやつ」を通して、その人の人生を振り返ります。
雫が最後の時を過ごした「ライオンの家」は、自分のありのまま、素の自分でいられる場所でした。
『ライオンのおやつ』読みどころ
「死」がテーマのこの物語。
確かに悲しいテーマです。
でもこの物語には、人生最後の日まで自分らしく生きる、力強さと温かさがありました。
心温まる人間ドラマ
『ライオンのおやつ』は、雫を中心に、彼女を取り巻く人々の関係性や絆が丁寧に描かれています。
普段なら、なにげなく見過ごしてしまっているような、そんな小さな出来事や触れ合いが、とても幸せに感じられる。
何も特別なことはありません。
「ライオンの家」での、スタッフや他の入居者たちとの触れ合いを通じて、彼女が感じる人の温かさが伝わります。
大切な時間と「おやつ」
この作品では、「おやつ」がキーアイテム。
雫たちが選ぶ「最後のおやつ」、どんな「おやつ」も、その人にとって大切な瞬間、思い出に繋がります。
あの時あの場所で食べた味、そんな「おやつ」があなたにもありませんか?
めったに食べられない高級なものかもしれない、素朴だけれどなつかしいものかもしれない。
「おやつ」を通して振り返る、一人ひとりの人生は、見た目だけではない、人柄や純粋さが溢れています。
穏やかな死生観
雫が過ごす日々は、彼女が死と向き合いながらも小さな喜びを見つけ、静かに過ごす自分らしい時間。
『ライオンのおやつ』は、死を恐れるのではなく、それを受け入れ、穏やかに迎えることの意味を教えてくれます。
人が亡くなるのは悲しいことです。
でも、この物語は死をテーマにしながらも、絶望や諦めではなく、最後まで自分らしく生きる、という前向きなメッセージが込められているように思います。
『ライオンのおやつ』まとめ
人生の終わりに何を思い、何を選ぶのか。
普段はあえて考えることを避けているのかもしれないし、その時にならないとわからないのかもしれません。
『ライオンのおやつ』は、その答えを探し求める雫の姿が、生きる意味を問いかけてくれているようです。
この物語を通じて、日々の小さな幸せや人々との絆の大切さを改めて感じてください。
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