人生100年時代を生きるヒント『ぜんぶ、すてれば』

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この記事では、中野善壽(なかの よしひさ)『ぜんぶ、すてれば』を紹介します。

この本には、変化が激しく、先が見え難い現在を、軽やかに進むためのヒントが詰まっています。

「何も持たない」からこそ、過去に縛られず、未来に悩まず、今日を大切に生きることができる。

「なんとなく息苦しい」とか「先行き不安」とか、そんな日々のモヤモヤを和らげるキッカケが得られます。

目次

『ぜんぶ、すてれば』はどんな本?

book

『ぜんぶ、すてれば』は、元寺田倉庫社長で、伝説の経営者と言われる中野善壽さんの言葉を、聞き語りの形式でまとめたものです。

タイトルだけで想像すると、最近流行りの「ミニマリスト」を推奨する内容のようにも見えますよね。

でも、そうではありません。

変化が速くて激しい今の時代に、何をどう考えて進めばいいのか。

中野さんの長年の経験に裏打ちされた、シンプルな言葉が並んでいます。

過去の成功体験も前例も、今を保証してくれるものは何もない、だから何も必要ない。

「ぜんぶ捨てればいい」んです。

この本には、最初から最後まで、心に響く言葉が続きます。

目次すらありません。

「今」がすべて

ブロック

この本には、中野さんの経験を織り込みながら、シンプルでまっすぐな言葉が並びます。

印象に残る言葉は数々あるのですが、あえて3つだけあげると、

  • 準備万端の日は一生来ない
  • 前例は未来を縛るもの
  • 形あるものは残さない

中野さんの言葉から一貫して伝わってくるのは、「今がすべて」だということ。

自分の「今」を妨げるものはすべて捨てる、最初から持たない。

準備万端の日は一生来ない

何かをやろうとしても、自分自身にいろいろと言い訳をして先延ばしにすることってありますよね。

周りを気にして躊躇してしまったり、人に悪く思われるのが怖かったり。

先延ばしにしているうちに、結局やらずじまいに終わることも多いかもしれません。

でも中野さんは、精一杯にやってきた自分に嘘がないのなら、今すぐにやるべきだと言います。

「まだ早過ぎる。準備ができていないから」なんて言っていたら、 いつまで経っても打席に立てない。

「準備万端の日」は一生やって来ないと思ったほうがいい。

上には上がいるんだから。

ぜんぶ、すてれば Kindlel版P16より引用

時には失敗することもあるかもしれません。

でも、失敗すればやり直せばいいし、その失敗を次に活かせばいいだけ。

とにかく打席に立たなければ失敗することもできず、やらなかったことに後悔が残るだけです。

前例は未来を縛るもの

「前例にならって、自分の考えや行動を決めてしまう」

これって、ある意味、楽なのかもしれません。

でも、いつもそうしていると、前例がなければ何もできなくなってしまう。

だから新しいアイデアも生まれないし、未来も制限されてしまうことになるんです。

前例は未来を縛るもの。

激動する現代において、前例は役に立たない。

いつまでも新しいアイディアを捻り出せる人間でいたいから、僕は思い出も捨てる。

振り返らず、見たことのない景色を求め続けたいと思う。

ぜんぶ、すてれば Kindle版P40より引用

「前例がないということは、なんでもあり」。

過去のしがらみもなく、未経験でも関係ない。

自分で考えた、納得した方法を試してみればいい。

中野さん曰く「未経験は強み」になるんです。

形あるものは残さない

目に見えるものをいくら残しても、それはあまり意味がない、というのが中野さんの考え。

それよりも、目に見えない形のないものをいかに残せるか、これが本当に価値あることなんです。

本当に残るのは〝形にならない思い〟です。

例えば、子どもを叱ったとき。

ただ叱るのではなくて、なぜこんなに叱るのかをしっかり伝える。

部下に対してもそう。

なぜこんなに厳しく言うのか、〝思い〟もセットで伝えないと残らない。

形ないものをどれだけ残せるか。

それがきっと、人としての力量というものです。

ぜんぶ、すてれば Kindle版P185より引用

自分の経験や言葉が、誰かに影響を与え、その人の役に立つ。

自分の思いが誰かに引き継がれる。

こういう、形のないものを多く残すには、人としての魅力や器が必要。

つまり、その人の力量が問われているんだ、ということだと思います。

しかし、形のないものでも、変なこだわりやプライドなど、「今」に不必要なものは、さっさと捨てることも、同時に大切なことなのかもしれません。

おわりに

草原と空

この本には、潔い、キレのある言葉が並びます。

一見すると、豪快で後先考えず、ともとられるような言葉もあります。

ですが、その中身は、とてもフットワークが軽く、エネルギッシュで、温かみのある言葉です。

中野さんと同じような経験は、簡単にはできないかもしれませんが、考え方を取り入れることはできると思います。

でも、単にうわべだけ真似をしても意味がないです。

「今」に集中して精一杯楽しむために、自分に不必要なものは何かを考えて捨てる。

そうすれば、いろいろな形となって結果が出てくるはずです。

この本の言葉から、何かひとつでも、自分を解放するヒントを見つけてください。

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