この記事は、草薙 龍瞬『反応しない練習』を紹介します。
誰でも何か悩みがあるものですよね。
「悩みなんかない!」
と言えれば幸せですが、そんな人は多くないのではないでしょうか。
大なり小なり悩みごとがあって当然だと思うし、悩みの中には逆にモチベーションを上げることにつながる類のものも含まれているような気もします。
でも、ムダな悩みは少しでも減らしたいものです。
『反応しない練習』には、心を軽くして悩みから解放されるための、考え方や方法が示されています。
『反応しない練習』はどんな本?
今の世の中、多くの人が様々な悩みを抱えています。
そんな悩みを解消できる方法が、『反応しない練習』には示されています。
その方法とは、いったいどういうものなのでしょうか。
この本の最初に、草薙さんのこんな言葉が書かれています。
すべての悩みは〝たった一つのこと〟から始まっています。
そこさえわかれば、あとは「正しく考える」ことで、どんな悩みも必ず解消できる。
反応しない練習 Kindle版 P3より引用
「たった一つのこと」、それは「心が反応すること」なんです。
どんな悩みも、自分の心が反応することから始まっていると。
この反応を理解して、正しく対処することができれば、おのずと悩みは解消することができる。
『反応しない練習』には、その対処方法が詰まっています。
随所にブッダの言葉がでてきますが、仏教の解説をする難解な内容ではありません。
普段多くの人が感じているであろう疑問を、わかりやすく解いてくれます。
『反応しない練習』のポイント
『反応しない練習』には、悩みに対する具体的な対処法がいくつも書かれていますが、その中からポイントとして3つの項目をピックアップしました。
- ムダな反応をしない
- 反応した事実を意識する
- 他人の目を気にしない
ムダな反応をしない
悩みの始まりにある「心の反応」
この反応は、自分でも理由がわからず、無意識に起こることも多いそうです。
「なんとなくイライラする」とか「面倒だな」とか。
この無意識の「心の反応」が悩みをつくりだす原因。
あとから考えれば些細なことでも、その場ではつい心が動いてしまう。
誰しも経験がある、このようなムダな反応をおさえることが、悩みの原因を取り除く第一歩です。
また、『反応しない練習』では、ムダに判断しすぎることも、よくないのだといいます。
人が悩んでしまう理由の一つは、「判断しすぎる心」にあります。 「判断」とは、この仕事に意味があるとかないとか、人生は生きている値打ちがあるとかないとか、彼と自分を比較すれば、どちらが優れている、劣っているといった「決めつけ」「思い込み」のことです。
反応しない練習 Kindle版 P42より引用
日々の生活の中で「良い・悪い」とか「好き・嫌い」とか、あまり深く考えず、つい判断していることって多くないですか?
しかも、ここでの判断の基準は、自分の決めつけや思い込みによるものだという事実。
何も判断しない、ということはあり得ませんが、その判断が心をますます縛り付けています。
ムダな判断をしなくなれば、心は軽くなるんです。
反応した事実を意識する
「心の反応」や「判断しすぎる心」は、誰もが持っているもの。
だから、草薙さんの指摘はその通りだとは思います。
でも、「無意識」の反応を抑えることってできるの?
むずかしいですよね。
そこで、草薙さんのアドバイスは、「心が反応した」「判断した」事実を具体的に確認すること。
暗い気分がでてきたら、「今、自分は暗い気分なんだ」、という事実を確認。
良いと感じることがあれば、「今、自分はこれを良いと思ったんだ」、という事実を確認。
そして確認したら、その気分や判断を素早くリセットする。
このような具体的な確認を続けることで、次第にムダな反応をおさえることができるようになります。
他人の目を気にしない
ついつい人の目を気にしてしまうことって、誰にでもありますよね。
でも、なぜそんなに人の目が気になるのでしょうか。
『反応しない練習』では、それは「承認欲」が原因だといいます。
自分のことを「評価してくれている」「信頼してくれている」と思える人の前では、その人の目を気にすることもなく、安心していられますよね。
だから、人の目が気になるということは、その人に承認してほしいと思っているということなんです。
そして、その「承認欲」から、その人が「自分をどう思っているのだろう」と妄想を膨らませる、これが人の目を気にしてしまう原因です。
でも、妄想は妄想です。
正しいかどうか確かめることもできません。
妄想は、自分でなんとでも作り出せるものなんです。
そんな妄想にとらわれて、人の目を気にして悩むのはもったいない。
そもそも、「評価する」とか「信頼する」とかを決めるのは他人なんです。
自分ではコントロールできません。
人の目が気になったら、これは妄想なんだと理解して、自分のことに集中しましょう。
おわりに
何かに執着したり、誰かと自分を比べたり、過去の記憶や勝手な思い込みで物事を考えたり。
日々なんと多くの反応や判断をしていることかと、この本を読んであらためて考えさせられます。
無意識の反応や判断を、すぐに止めることは難しいかもしれません。
でも、心が反応した時に、反応した事実を意識することから始めませんか。
そうすれば、いつか、何物にも縛られない、自分らしい自由が手に入るのかもしれませんね。
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