本記事では、ジョン・P・コッター著『カモメになったペンギン』を紹介します。
この本では、ペンギンの群れを舞台とした寓話を通して、組織変革のマネージメントがわかります。
『カモメになったペンギン』とは?
『カモメになったペンギン』の著者であるジョン・P・コッターは、ハーバード・ビジネススクール名誉教授で、「組織変革」と「リーダーシップ」の分野における世界的な第一人者です。
『カモメになったペンギン』は、氷山崩壊の危機に直面したペンギン達が、生き残りをかけてピンチを乗り越える物語。
この物語を通して、コッターが提唱する「組織変革のステップ」が学べます。
1時間程度で読める約100ページの本ですが、短い中にも、変革の道筋・マネージメントのヒントが詰まっています。
『カモメになったペンギン』の物語
「氷山が溶け出して、崩壊の危機にある!」
そのことに最初に気が付いたのは、好奇心と観察力をもった1羽のペンギン「フレッド」
自分が暮らす場所を日頃から観察していたフレッドは、氷山に亀裂が入っていることを発見します。
「このままでは冬に海が凍って膨張すると、氷山が崩壊してしまう」
「268羽のコロニーの仲間を助けたい」
「この危機を何とかして乗り越えなければ」
思案したフレッドは、最初のステップとして、コロニーのリーダ達と危機を共有することから始め、生き残りをかけた変革に立ち向かうことになります。
でも困難の連続で、そう簡単に変革は進みません。
さてここからが本題です。
ペンギン達はどうやって生き残るための変革を進めるのでしょうか。
『カモメになったペンギン』レビュー
組織変革って難しいです。
組織といっても、会社や地域の集まり、趣味のクラブなど、形はいろいろ。
集まっている目的も違えば、規模も様々ですが、形や規模にかかわらず、何かを変えようとすると、うまく進まないことも多いのではないでしょうか。
「メンバーの意見や考えがまとまらない」「慣習が邪魔をする」など、様々な障害もあるでしょう。
この本は、このような障害をひとつひとつ取り除き、組織変革を成功させるポイントがまとまっています。
学術論を解説した本ではありませんので、深く体系的に組織変革論を理解するには至らないのですが、変革ステップを端的に知ることができるはず。
変革のポイントを確認するために、時折読み返すのが良いと思います。
組織変革の8段階
コッターが提唱する、組織変革を成功させるためのプロセスは、次の8段階です。
- 変革の必要性とすぐに実行に移す重要性を理解させる。
- 変革を強力に推進するためのチームをつくる。
- ビジョン(どのように変革するか)と戦略(どうやって変革するか)を示す。
- ビジョンを多くの人に周知し賛同を得る。
- 変革に向けた障害を取除き、変革の活動がしやすい環境をつくる。
- 短期間で、目に見える明確な成果を出す。
- ビジョンを達成するまでは、変革の手を緩めない。
- 変革後の新しい文化が、普通の文化として完全に定着するまで、持続すること。
変革の初期段階が大切
8段階のプロセスは、どれかが欠けても変革の成功は望めません。
どのステップも重要ですが、特に大切なのは、変革を進める心構えと初期のステップではないでしょうか。
常に心得ておくべきだと思うのは、
- 「危機」に対する自分の感度を高める。
- 「危機」を周囲の人と共有する。
- 変革推進メンバーは、スキルの偏りなく組み合わせること。
- 古い慣習や固定観念からは、変革を実現する力は生まれない。
組織変革は誰かがやってくれるのを待っていても始まりません。
自分自身の心構えがまず大切、そして最初が肝心なのではないかと思います。
変革が成功するかどうかは、ある意味、準備段階で決まるのかもしれません。
『カモメになったペンギン』まとめ
変革達成のためには、「必ず変革する!」という強い意志が大切であることは言うまでもありません。
意識を変えることは難しいですが、意識が変わらないと何も変わらないことも事実。
意識を変えて、自分自身も周囲も動かなければ、見せかけの「変革」になってしまう気もします。
『カモメになったペンギン』は、一見するとペンギン達の単なる成功物語ですが、「組織変革」や「リーダーシップ」のポイントをきちんと押さえた、読みやすく役に立つ本です。
あなたは、この本からどんなヒントを掴みますか?
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