この記事では、「書くために大切なこと」を教えてくれる3冊の本を紹介します。
編集者やライターとして仕事で文章を書く人に限らず、SNSやブログを通じて情報を発信する人も多いですよね。
でも、いざ始めてみると、「何を書けばよいのか」「こんな内容でよいのか」と、不安に思うことも多いはず。
本やセミナーで、ライティング技術を学ぶことも大切ですが、「書くことの原点」に立ち返ることも大切です。
ここから紹介する3冊は、その原点がわかる、文章術じゃない本です。
文章術じゃない「書く」ための3冊
文章の書き方を解説したライティング本はたくさんありますが、「うまく文章が書けない」といった悩みは尽きません。
それは、ライティングスキルを磨くだけでは、なかなか上達しないからです。
ここで紹介する3冊からは、ライティング技術以前に、「書く」ために必要なことが学べます。
『書く習慣』自分と人生が変わるいちばん大切な文章力
1冊目は、いしかわゆき著『書く習慣』です。
この本では、「書くことを好きになって、楽しんで続けることが一番」ということが、ゆるい雰囲気で語られます。
どんなにノウハウやテクニックを学んだところで、書くのが好きじゃなかったら続けるのがつらくなってしまうと思うから。
それに書きつづけてさえいれば、自然とコツもつかめてきて、勝手に文章もうまくなっていきます。
いしかわゆき 「書く習慣」より引用
「書く」ことを楽しく続けるには、「書きたい気持ちを忘れない」こと、そしてそのために「習慣化する」ことが大切。
「5分だけやる」「すぐに書ける状態にする」「時間を取ってやるよりも「ながら」で書く」など、すぐに試せる習慣化のコツが満載です。
この本を読むと、「書こう!」と無理に気合をいれずに、もっと自分のハードルを下げて、気楽に長く取り組めばいいという気持ちになれます。
この本をもう少し詳しく知りたいと思ったら、こちらの記事も読んでみてください。
『書く習慣』の内容と、書くハードルをグッと下げるためのメッセージを紹介しています。
『書ける人になる!』魂の文章術
2冊目は、ナタリー・ゴールドバーグ著『書ける人になる!』です。
ナタリーさんのメッセージを一言で表すとすれば、「とにかく書く、黙って書きなさい」というシンプルなもの。
「書く」ために、文章の型やルールを知る必要はありますが、もっと「自分が感じたことを感じたままに書く」ことの大切さに気づかされます。
文章の達人になりたいなら、基本的に次の三つのことが必要だ。
たくさん読むこと、真剣によく聴くこと、そしてたくさん書くこと。
それから、考えすぎは禁物だ。言葉と音と色鮮やかな感情が生み出す熱の中に飛び込み、ペン を紙の端から端まで動かしつづけよう。
「書く才能がない」「書く能力がない」、そんなことで悩まず、とにかく書き続けることが大切。
ナタリー・ゴールドバーグ 「書ける人になる!魂の文章術」より引用
書き続けることでしか、書く技術は身につかないことを、教えてくれます。
『書く仕事がしたい』
3冊目は、佐藤友美著『書く仕事がしたい』です。
この本の内容は、「書く仕事のリアル」。
「書くことを仕事にする」とはどういうことか、「書く」うえで、書くこと以上に大切なことは何か、が語られています。
私は、文章を書くことが好きな人が、プロのライターとして書き続けることができるかどうかは、「書き終わる」ことができるかどうかだと思っています。(中略)
ダサくてもひどくてもとにかく書き続け、現状におけるベストで書き終えて納品し、晒されて disられても言い訳せず、反省し反省はするが折れず凹んでも戻ってくる。そして懲りずに 次の原稿を納品する。
いつかはもっと上手に書けるはずと信じて書く。「 書く」を続ける。これが、「〝書く〟を仕事にする」ことだと私は思ってい ます。
佐藤友美 「書く仕事がしたい」より引用
著者の佐藤さんは、21年のライター経験をもち、Webや雑誌のライティングの他、コラムの執筆やライター向けのセミナー講師としても活躍されている方。
この経験をふまえて、仕事を得るプロセスから、編集者との付き合い方、取材準備まで、実例を交えて書かれています。
「書く仕事」の本ですから、中には厳しいことも書かれていますが、すんなりと最後まで読める、軽快な語り口です。
この本を読むと、ライターとして仕事をするには、「ライティング技術よりなりより、仕事に対する姿勢や心構えが大切」なのだとわかります。
まとめ
この記事では、文章術ではなく、「書くこと」そのものをクローズアップした本を紹介しました。
どの本にも「書くため」のノウハウが詰まっていますが、3冊に共通したメッセージは、「書くため」にもっとも大切なことは「書き続けること」です。
1冊目 『書く習慣』
書く技術や努力よりも大切なのは、「書くことを好きになること」
2冊目 『魂の文章術』
文章の達人になるためには、「たくさん読む」「真剣に聴く」「たくさん書く」
3冊目 『書く仕事がしたい』
「”書く”を仕事にする」ということは、何があっても「書き続け」、そして「書き終わること」
今回は、文章術「じゃない」本を3冊紹介しましたが、文章術の本も、おすすめの3冊を紹介しています。