京都で味わう謎解き『京都寺町三条のホームズ』

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骨董品店

この記事では、望月麻衣著『京都寺町三条のホームズ』を紹介します。

京都を舞台に繰り広げられる物語は、街の風情と骨董品や美術品にまつわる謎解きが楽しめるシリーズ小説。

シリーズを通して、実在する京都の街や名所が随所に出てきますので、実際に京都を訪れて街の雰囲気を楽しんでいるような感覚に浸れますよ。

目次

『京都寺町三条のホームズ』とは?

『京都寺町三条のホームズ』は、望月麻衣さんのミステリーシリーズ作品です。

2015年に刊行された第1巻は、2016年度京都本大賞を受賞。

現在も継続してシリーズ化(2024年7月現在:第23巻まで)されており、各巻ごとに異なるテーマや謎が描かれます。

『京都寺町三条のホームズ』のあらすじ

京都の風景

物語の舞台は、京都寺町三条にある骨董品店「蔵」。

京都に引っ越してきて間もない女子高生・真城葵が、店のオーナーの孫で京大院生・家頭清貴とひょんなことで出会い、「蔵」でのアルバイトに誘われるところから、物語が始まります。

「ホームズ」と呼ばれる清貴は、知識豊富で美術品に対する深い造詣と確かな鑑定眼を持つイケメン。

一方の葵は、誰からも好かれる素直さと可愛さ、そして自分の芯をしっかりと持った女性です。

毎回「蔵」に持ち込まれる様々な依頼は、骨董品や美術品の鑑定依頼にとどまらず、美術品にまつわる秘密や人間関係のトラブルに関わることも。

そんな難題を、京都の街や名所を背景に、清貴と葵のコンビネーションで解き明かしていきます。

『京都寺町三条のホームズ』読みどころ

京都清水寺

『京都寺町三条のホームズ』は、骨董品にまつわる謎を解き明かすミステリー作品ではあるのですが、この小説の軸は、登場人物どうしの交流や成長を描く、温かい人間ドラマだと感じます。

少し気の重い難題でも、結末が悲しい出来事でも、最後には人を前向きにさせる。

京都の風情もあいまって、優しい気持ちになれるストーリーです。

時々に出てくる京都弁のほんわかとした雰囲気や、クスっと笑えるちょっとした会話も、いい味わいですよ。

美術品の魅力とミステリーの醍醐味

骨董品や美術品が謎を解くカギとなるミステリーは、美術に興味のない人にとっては、少し取っ付きにくいイメージかも。

でもこの小説では、美術品が生まれた背景や特徴を清貴が丁寧に語ってくれることで、その不安を解消してくれます。

各巻で展開されるエピソードでは、「蔵」に持ち込まれる様々な依頼の真相を探るために、古い茶碗や掛け軸に込められた秘密や意味を解き明かし、時には贋作を見破ります。

清貴と葵、二人の知識と感性がどんな推理を導くのか。

その過程を一緒に楽しむことができる、美術品の魅力とミステリーの醍醐味を味わえる作品です。

ただ、ミステリーといっても、殺人事件が起こるような怖い内容ではありません。

どのエピソードも最後は心温まる結末になっています。

京都の風情と歴史を感じる

『京都寺町三条のホームズ』の大きな魅力は、京都の街・名所の風情や歴史がふんだんに描かれていること。

京都を良く知る人も、まだ訪れたことのない人も、京都を感じることができる作品です。

作者の望月麻衣さんは京都在住でもあり、住民ならではの目線で、街の風景や雰囲気がありありと描かれていて、京都の街を歩く自分が想像できるような感覚です。

「寺町三条」も、もちろん実在するエリアで、繁華街である四条河原町にほど近く、賑やかでありながら、京都の歴史も感じることができる場所です。

物語の背景には、京都の風物詩や文化が語られていて、四季折々の京都の姿を見せてくれます。

京都と骨董品店という組み合わせも、物語の背景としてマッチしています。

物語とともに進む登場人物の成長

『京都寺町三条のホームズ』は、単なるミステリー小説ではなく、物語の進行に合わせて変化する、登場人物たちの成長や人間関係も丁寧に描かれています。

各出来事を通じて出会う様々な人々との交流、困難な状況に立ち向かう時に見せる団結力や優しさ、京都ならではの人間味溢れるエピソードは、物語にほっとする温かさを加える。

特に主人公の清貴と葵の距離感は、そばで二人を見守っているかのように感じられます。

女子高生だった葵は、人の心が読めるかのような清貴の鋭い観察力を、最初は怖いと感じるのですが、やがてその感情は憧れから信頼、そして恋愛へと発展し、清貴も葵との交流を通じて、自身の過去や心の傷と向き合い、少しずつ心を開いていくのです。

この作品を通じて、人間関係の大切さや、互いに支え合うことの素晴らしさを再認識させてくれます。

『京都寺町三条のホームズ』まとめ

『京都寺町三条のホームズ』は、シリーズを通じてミステリーの面白さだけでなく、人の温かさや、京都の魅力も存分に味わえる作品です。

ミステリー好きだけでなく、京都の風情や歴史に興味がある方、温かな人間ドラマを楽しみたい方にもおすすめ。

清貴と葵が織り成す物語は、温かい気持ちと満足感が得られると思います。

ぜひ『京都寺町三条のホームズ』で、古都・京都の風情を感じながら、謎解きの世界に浸ってみてくだい。

『京都寺町三条のホームズ』は、カテゴリー「おすすめ」でも紹介しています。
京都を感じられる小説を7作品紹介していますので、ぜひ合わせてお読みください。

また、シリーズ第7巻『贋作師と声なき依頼』に出てくる言葉を、カテゴリー「ほんのひとこと」でも取り上げています。

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