この記事では、ジェームス・W・ヤング著『アイデアのつくり方』を紹介します。
「アイデアが全く思い浮かばない!」と、あてもなく悩んでいることってありませんか?
そんな時にはぜひ、この本を読んでみてください。
アイデアは「準備も何もないところから突然降ってくる」なんてことはありません。
「考えて」「悩んで」「捻りだす」ものでもありません。
アイデアは「一定の方法に従って手に入れるもの」なのです。
『アイデアのつくり方』はどんな本?
著者のジェームス・W・ヤングはアメリカの広告代理店で多くの実績を残した人。
『アイデアのつくり方』の原著は1940年にアメリカで出版され、広告業界では「バイブル」と呼ばれてきました。
古い本なので、現在とは時代背景も違いますし、引用されている事例も少々古めかしい。
でも、今も昔も変わらない、アイデアづくりの本質がシンプルに書かれています。
この本は、「〇〇するための10の方法」とか「これだけやれば完璧」という類の、よくあるハウツー本ではありません。
「手っ取り早くアイデアをつくる秘訣を知りたい」という期待は捨ててください。
そもそも、そんな秘訣はないのですが。
『アイデアのつくり方』のポイント
この本に書かれた、アイデアのつくり方のポイントは2つ。
「アイデアをつくりだす原理」と「アイデアをつくりだす方法」を学ぶことです。
アイデアづくりに限らず、どんな技術を身につけるにも、「原理」と「方法」を知ることが欠かせません。
アイデアをつくりだす原理
この本で述べられている「アイデアをつくりだす原理」は、次の2点です。
- アイデアとは「既存の要素の新しい組み合わせ」以外の何ものでもない
- 新しい組み合わせを作りだすには「物事の関連性を見つける能力が必要」
世の中では、次々と新しい技術や製品が生まれています。
これら技術・製品自体は新しいものですが、これを構成している各要素は過去に存在していたのです。
例えば、スマートフォン。
今では広く普及していて、当たり前の存在ですが、最初に製品がでた当時は斬新なものでしたよね。
これも構成している要素を見れば、既存の携帯電話とパソコンの組み合わせです。
後から見れば簡単な組み合わせかもしれませんが、携帯電話とパソコンの組み合わせで、新しく便利な製品がつくれることに気づけるかどうかがポイント。
これが2点目の原理である、「関連性を見つける能力」です。
既存の要素をバラバラに知っているだけではアイデアはつくりだせない、各要素の関連性に気づき、思いもよらない新しい組み合わせが生まれる。
これが「アイデアづくりの原理」です。
アイデアをつくりだす方法
前述の原理を踏まえて、いかにしてアイデアをつくりだすのか。
この本では、「アイデアづくりは工業製品を作るのと同じ」「一定の工程と技術がある」と述べられています。
そして、その技術は意識して習得することができるのです。
その技術は、たった5ステップ。
- Step1 広く情報を集め(要素を集める)
- Step2 様々な角度で分析(要素の関連性を見つける)
- Step3 たまには気分転換(他の要素も考えてみる)
- Step4 でも常に考え続ける(アイデアの種を待つ)
- Step5 そしてアイデアの種を育てる(アイデアの具体化)
まず大切なことは、アイデアの要素となりえる情報を集めること。
この本では、この最初の段階が不十分な場合が多いと指摘しています。
多くの人が、情報に不足があるとは思わず、これで十分と考えて次の段階に進んでしまっているそうです。
その結果として、アイデアが生まれない。
「アイデアが全く思い浮かばない!」と悩む前に、さらに情報を集めて分析しましょう。
そうすると、Step3・4の段階で、アイデアの種に気づく瞬間が訪れるのです。
あなたも、いくら考えても思いつかなかったものが、なんでもない時にフッと頭に浮かんだ、という経験があるのでは?
これがその瞬間。
そして、最後が大切なのですが、アイデアが生まれたら、具体化して新しいものを生み出しましょう。
アイデアをつくることが目的ではないですよね。
どんなにすばらしいアイデアも、具体化してはじめて価値があるのですから。
『アイデアのつくり方』まとめ
この本はたった100ページ。
後半40ページは解説ですので、本編自体は60ページで終わり。
具体例もできる限りそぎ落とし、本当に必要な「アイデアをつくる」原理・方法のみが、シンプルに書かれています。
シンプルであるがゆえ、この本に書かれた方法を実践するには、相応の技量が必要なのだと感じました。
この本を読んで「そんなこと当たり前」と思うのか、「なるほど奥が深い」と思うのかは、あなた次第です。
あなたが今「アイデアが全く思い浮かばない!」と悩んでいるとしたら、それはまだ情報が不足しているのかも。
せっかくのアイデアの種が眠りそうになっているのかもしれません。
『アイデアのつくり方』と同じく、100ページ程度の本を7冊ピックアップしました。
薄い本ですが、役に立つ本ばかりです。
ぜひチェックしてください。
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